咄嗟に言われると分からない
私は10年間、浮気もせずにドラッグスターに乗り続けているのですが、若いバイク仲間に何が良いのかと聞かれ、その良さを答えることができませんでした。
ドラッグスター400は400ccの排気量の割りに大柄な車体で、重量もあります。
普通自動二輪免許ならともかく、大型を持つ私がこだわる理由がないのです。
ドラッグスターには1100ccもあり、大型を持っているならば普通はそちらのほうを選びます。
400ccは空冷OHCのV型2気筒で37馬力しかなく、それで重量が200kgをゆうに超えているのです。
速くもなく、最先端とはいえないエンジン。
そして取り回しに不利な重量と、良いところはありません。
そのため咄嗟に良さを言葉で伝えることができなかったのです。
乗ってみて分かること
具体的にドラッグスターの魅力を伝えることも可能なのですが、すべてのバイクに共通することがあります。
バイクの魅力は、乗ってみないと伝わらないことがほとんどで、長い期間所持してみないと分からないことも多いのです。
バイクは車と違い、趣味の要素が多い乗り物です。
そのためカタログスペックなどでは分からない、乗ってみて初めて理解できるフィーリングというものが存在します。
私は以前スポーツタイプに乗っていましたが、私からすると1100ccは重過ぎました。
走り出すとそう気にはならなかったのですが、近場を乗ることも多く、取り回しという点で400の重量が限界だったのです。
性能的に劣る空冷2気筒ですが、私のフィーリングにはとてもマッチしました。
国産メーカーであるヤマハの2気筒は安定しており、機械的な不安もなく、それでいてV型ツイン独特のフィールが楽しめるのです。
スポーツタイプからの転向組からすると、足つきの良さと長いホイールベースは衝撃的でした。
また、スポーツと比べ、とにかく楽であり、長距離を走っても足腰が痛くならないと思いました。
スポーツタイプに乗っていると、走ることが中心になってしまいます。
ですがドラッグスターの馬力と操縦性は風景を楽しむことができ、ツーリングそのものを楽しむことができます。
またほとんどメンテナンスフリーともいえるシャフトドライブも、安心してツーリングを楽しむ大きな味方となりました。
ショップで見つけた当初はそのスタイリングだけが気にいっていましたが、所持してから気づいたことが多く、馬力の無さや重量さえも欠点とは思わず長所と思えるようになってきました。
スタイルの良さだけにこだわる人は、おそらくすぐに売ってしまうかもしれません。
ですが長距離を乗り、長い期間所持していると、私とは違う良さを見つけるかもしれません。
スポーツとは違う、ゆっくりと長距離を走る楽しさを教えてくれる日本人の体形に合ったバイク、それがドラッグスター400の魅力だと思います。